2025年4月24日 小原信好さんが急逝されました
小原さんと初めて会ったのは、もう何十年も前、まだ20世紀の旅取材。岩手に暮らす小原さん、編集担当さんは東京から、私は仲間と一緒に札幌から、北海道の帯広で集合。林道をめぐり、廃線跡を撮影し、秘湯につかり、キャンプをして、たき火を前に、みんな酔っ払って小原さんのギタレレで合唱。初対面の感じが全然しなかった。
ツーリングマップルの北海道撮影をずっと担当していた小原さんは、来道するたびに声をかけてくれた。東京や大阪の写真展にも足を運んでくれ、お互いカメラと一緒に旅暮らしだから、思わぬ場所で顔を合わせた。なかなかタイミングが合わなかったけれど、会えるときはいろいろな人を紹介してくれた。それは小原さんの人柄。小原さんのまわりにはいつもたくさんの人がいて、いつもまわりを笑顔にしてくれた。本当に、楽しくて、あたたかい人だった。
だった、の過去形がさみしい、、、
岩手で暮らす小原さんは数年前から、かつて全国のライダーから愛された伝説のカフェ「TIME TUNNEL」の建物を受け継ぎ、「HOKKAIDER BASE(ホッカイダーベース)」というライダーと旅人のための拠点作りをスタート。一昨年の夏に取材させてもらった。取材の前日は、旭川で小原さんと奥さんのレンちゃんと3人で久しぶりに乾杯。翌日はHOKKAIDER BASEを訪れる人たちと話をして、店の前の線路を走る「富良野・美瑛ノロッコ号」に手をふって、小原さんが紹介してくれた人たちを訪ね歩き、日が暮れると焚火を囲んだ。それが直接会った最後になるなんて、あの笑顔が最後になるなんて、、、HOKKAIDER BASEがあるから、これからはもっと会えると思っていた、ゆっくり話せると思っていた、、、
小原さんがレンちゃんや仲間たちと少しずつ形作っていったHOKKAIDER BASEは今年、2025年がグランドオープンだった。小原さん、はやすぎるよ
その未明、連絡をもらって、信じられなくて。最後に顔が見たくて、お別れが言いたくて。今の私は足の負傷で遠出ができず、でもでもこんな時くらい無理して会いに行ってもいいでしょう、と思った。けれど小原さんはきっと「やのちゃん、無理しないで」と言うような気がした。
小原さん、もっともっと話したかったよ
愚痴を聞いてもらった、夢を聞いてもらった
笑って、歌って、焚火を囲む
これから、そんな時間がいっぱいあると思っていた
たくさん、ゆっくり、話せると思っていた
さようなら、は、かなしいけれど
すごい、さみしいけれど
会えてよかった
小原さん、ありがとうね
本当にありがとう
どうぞ安らかに
フォトグラファー 小原信好
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